道内信販大手のほくせん（札幌、中村安雄社長）と同中堅のNCコーポレーション（苫小牧、田沢賢次郎社長）が六月をめどに合併する方針を固めたことが四日分かった。両社は今月中にもそれぞれの取締役会で決定し発表する見通し。合併後のカード会員数は五十万人を上回り、道内最大手のニッセンレンライフ（札幌）に匹敵する。

合併後の存続会社はほくせんで、社長には同社の中村社長が就く。合併比率は今後詰める。札幌を地盤とし、民事再生手続き中のハコセン（函館）も傘下に加えたほくせんと、苫小牧地区に浸透しているNCコーポレーションが合併することで、道央、道南圏の顧客を囲い込むとともに、経費削減を進めて経営効率を高める。

信販業界は、景気低迷に加えて改正貸金業法によるグレーゾーン金利撤廃で「キャッシン」と呼ばれる個人向け融資の利益が減少しているうえ、利用者からの過払い請求に備えた引当金の積み立てが重荷になっており、生き残りを見据えた再編が今後増えそうだ。

ほくせんのカード会員数は四十七万五千人で、四万人を超す会員を抱えるNCコーポレーションとの合併で、会員数は五十万人を突破する。ただ、会員数五十万八千人のニッセンレンライフは四月に同四十万一千人のエスコートカード（札幌）と合併を予定している。