名古屋市消費生活センター（中区栄１）に昨年度寄せられた消費生活相談の総数は、前年度比5.4％増の1万7,457件で、3年ぶりに増加した。ヤミ金融に関する相談が目立って増えており、未曾有の不況の影響とみられる。

「失業したのでチラシの安い金利を見て借りた。実態と違い、高額の返済を迫られて困っている」「借入契約書がなく、言われるがまま返済している」

ヤミ金融に関する相談は309件あり、前年度より34％増えた。4、5社から借りている多重債務者からの相談がほとんどだった。ヤミ金融を含めた消費者金融の相談は1割増の2,631件に上った。

分野別で最も高い伸びを示したのは「賃貸アパートの家主から退去時に高額な修繕費を要求された」などという賃貸アパートの相談で、44％増の902件あった。

戸別訪問の営業による家屋の修繕工事についての相談は254件を数え、「同居している高齢者が勝手に高額の契約を交わした」との内容が目立った。

一方、携帯電話やパソコンのメールを使ったワンクリック詐欺と架空請求の相談は減少。携帯電話は27％減の2,098件、パソコンはほぼ半減し581件だった。センターは「クリックしたりメールを受け取ったりしただけでは契約は成立しない、という認識が広まってきた」とみている。

消費生活相談は市内在住、在勤、在学の人が対象で、電話番号は平日が052（222）9671、土日は052（222）9690。午前9時から午後4時15分まで。